Macintoshとマックとマクド
2011.10.12

大阪の大学を卒業して最初に入った会社で、「Macintosh」に出逢いました。アイボリーホワイトのPower Macintosh G3です。その後間をおかずに青白のG3(Power Macintosh G3 Blue & White)を与えられ、仕事の相棒として、またプライベートでも同モデルを購入してから、本格的にコンピュータの世界に入り込むこととなりました。当サイトも、恐らくこの出逢いがなければ存在していない可能性が高いのです。そういう意味で、スティ−ブ・ジョブズがパーソナルコンピュータとしての「Macintosh」を開発していなければ……としみじみ思います。


わたしが仕事をしはじめた当時は、コンピュータでデザインや組版をすること自体、まだまだ珍しい時代でした。まして、それまでワープロしか触ったことのない人間にとって、キーボードよりもマウスによる作業を中心とするグラフィカルユーザーインターフェース(以降GUI)には、新鮮な驚きと戸惑いを覚えたものです。

またPCという意味合いでは、同時期に発売されたiMacシリーズが、見た目のスタイリッシュさや価格面で一般ユーザーへの普及を果たし、現在のインターネット進歩を含めて大きな貢献をしました。仕事場ではなくリビングに置いて、手軽にコンピュータの世界を楽しめる、とても身近な友人のような存在になったのです(余談ですが、外部機器との接続インターフェースが、SCSI(スカジィ)からUSBに移行しはじめたのがこのころからです。SCSI接続(パラレル通信)はホント面倒でした)。

その後Macユーザーでいたのは銀のG4まででした。Appleが取った販売戦略として、PowerMacはヘヴィユーザー、iMacはライトユーザーと両極端な棲み分けがあったことと、Windowsマシンでもグラフィック系のアプリケーションをストレスなく扱える時代になったからです。ミドルユーザーであるわたしにとってPowerMacは高価すぎ、iMacは性能面で物足りない。しかしながら、現在Windows7のインターフェースにかなりの満足をしていながら、MacOSX以降のインターフェースにはいまだ未練があることも事実です。作業の内容や結果に直接影響があるかは別として、やはりMacのインターフェースが好みと言わざるを得ません。

スティーブ・ジョブズ(似てなくてゴメンなさい)。

G3、iMac以降にジョブズAppleが送り出したiPod、iPhone、iPadが、いまや人生を豊かにするコミュニケーションツールとして、ヘヴィ・ライトを問わず世界中のユーザーに愛されていることからも、まずは使い手の食指を動かすこと、その導入としてインターフェースが如何に重要であるかということをジョブズは知っていたということでしょう。ユーザーの手が触れることで、その先に無限の可能性が開ける、その手助けと言えば些細に聞こえてしまいますが、それだけにその影響力の大きさを、喪ってはじめて感じてしまいます。そして第二のジョブズがあらわれるまでは、感じつづけることになるのです。


ちなみにタイトルにある「Macintosh」の呼び方について。関西人は某ハンバーガーチェーンを略して「マクド」と呼びます。コンピュータの「Mac」と区別する意味でもとても重要です。「Mac」を唯一無二の存在として敬意を込めて呼ぶために、ジャンクフードと同列には絶対にしない。関西を離れたいまでも、この使い分けを手放すことができません。